(労災保険の)支給制限

<更新26年10月20日>

  • 支給制限とは・・・労働者/特別加入者が業務災害/通勤災害によりケガ/病気になっても、労災保険からの給付を一切行わない、又は、一部減額するなど、労災保険の支給を制限することをいいます。
  • 支給制限が行われる可能性があるのは、次に該当するときです。
1.【労働者/特別加入者】「故意」に、ケガ/病気/障害/死亡したとき、又はその直接の原因となった事故を発生させたとき
  • 保険給付は一切行われません。​
2.【労働者/特別加入者】が 「故意の犯罪行為」又は「重大な過失」により、ケガ/病気/障害/死亡した、若しくはこれらの原因となった事故を発生させたとき

<業務上災害の場合>

  • 休業補償給付 障害補償給付 傷病補償年金の所定給付額の30%を支給のつど減額します。
  • 再発に関するものは除きます。
  • 障害補償年金 傷病補償年金の支給制限は、療養を開始した日の翌日から3年間に支給事由が生じたものが対象となります。
     

<通勤災害の場合>

  • 休業給付 障害給付 傷病年金の所定給付額の30%を支給のつど減額します。
  • 再発に関するものは除きます。
  • 障害年金 傷病年金の支給制限は、療養を開始した日の翌日から3年間に支給事由が生じたものを対象とします。
3.【労働者/特別加入者】「正当な理由がなく療養に関する指示に従わない」ため、ケガ/病気/障害の程度を増進させた、若しくはその回復を妨げたとき

<業務上災害の場合>

  • 事案1件につき、休業補償給付を10日分減額します。
  • 傷病補償年金 365分の10相当額を減額します。
     

<通勤災害の場合> 

  • 事案1件につき、休業給付を10日分減額します。
  • 傷病年金 365分の10相当額を減額します。
4.【特別加入者】の事故が、「労働保険料の滞納期間中」に生じたとき

​<業務上災害の場合>

  • 休業補償給付 障害補償給付 遺族補償給付 傷病補償年金 葬祭料の所定給付額×滞納率(最高40%)を支給のつど減額します。
  • 再発に関する給付は除きます。
  • これら給付の支給制限は、事故発生日から概算保険料の完納日の前日までの期間、かつ、療養を開始した日の翌日から3年間に支給事由が生じたものが対象となります。
     

<通勤災害の場合>

  • 休業給付 障害給付 遺族給付 傷病年金 葬祭料の所定給付額×滞納率(最高40%)を支給のつど減額します。
  • 再発に関する給付は除きます。
  • これら給付の支給制限は、事故発生日から概算保険料の完納日の前日までの期間、かつ、療養を開始した日の翌日から3年間に支給事由が生じたものが対象となります。
  • 自殺は、原則、結果の発生を意図した「故意」であるとして労災保険の給付対象にはなりません。
  • しかし、例外として、業務上の精神障害を有する方が自殺したケースで、正常の認識 行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で、自殺が行われたと認められる場合には「結果の発生を意図した故意に該当しない」と取り扱われるため、労災保険の給付対象となります。

 

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