労働保険適用徴収の辞典

労働ことば辞典
労働保険の適用徴収

         前のことば辞典 安全衛生   次のことば辞典 労災保険     

<Contents>労働ことば辞典 労働保険の適用徴収

労働ことば辞典 建設業の労働保険について

請負事業の一括  うけおいじぎょうのいっかつ <更新26年8月1日>
  • 請負事業の一括とは…労災保険独自の制度で、建設の事業が数次の請負によって行われるときに元請負人のみを事業主として取り扱い、一つの工事を一つの保険関係で処理(適用・補償)することをいいます。
  • 建設業における請負事業の一括は、労働保険徴収法等により当然に行われます。
  • 請負事業の一括により、建設工事における元請負人は、元請負人が直接労働者を雇用して行う工事の部分だけでなく、下請に請負わせた工事(下請工事)の部分を含めて、一括して労災保険に加入します。
  • そのため、下請負人(下請工事)は、個々の下請事業(下請工事)に関して保険加入する必要はありません(注)。
  • この請負事業の一括の制度は、労災保険(労災補償)特有の考え方なので、労災保険関係に限って適用されます。
      したがって、例えば雇用保険関係や労働安全衛生関係には請負事業の一括制度はありません。
  • また、この請負事業の一括は、建設業のみに適用されるので、建設業以外の業種、例えば林業等の適用はありません。
     
  • 例外的に、下請負事業を元請負事業に一括することなく、下請負事業を分離して保険関係を成立させることができます。これを「下請事業の分離」といいます。
     
  • なお、労災保険では、「一括」という取り扱いが請負事業の一括以外に、いくつかあります。例えば「有期事業の一括」「継続事業の一括」などがあります。


(注)労災保険は、労働者が対象の保険なので、元請負人の事業主はもちろん、下請負人の事業主、孫請負人の事業主等及び一人親方は労災保険の対象にはなりません。これらの人が労災保険からの補償を希望するときは「労災保険 特別加入制度」に加入します。なお、特別加入の加入は任意です。

下請事業の分離  したうけじぎょうのぶんり <更新27年7月1日>
  • 下請事業の分離とは … 建設業における労災保険の取り扱いにおいて、下請負事業を元請負事業に一括せずに分離し、下請負事業を独立した工事とみなして保険関係を成立させることをいいます。
  • 建設業における労災保険の取扱は、原則「請負事業の一括」として元請負事業者を事業主として取り扱い、一つの工事を一つの保険関係に一括して処理(適用・補償)しますから、この下請事業の分離は例外的な取り扱いです。
     
  • 下請負事業の分離を行うためには、所轄労働局長の認可が必要で、そのためには以下の要件をすべて満たさなくてはなりません。
    ​​(1)下請事業の概算保険料の額が160万円以上又は請負金額(税抜)が1億8000万円以上である
        ただし、27年3月31日までに開始した工事の場合は、
        概算保険料の額が160万円以上又は請負金額(税込)が1億9000万円以上となります
    (2)元請負人と下請負人が共同で、保険関係成立の日の翌日から10日以内に「下請負人を事業主とする認可申請書(様式第4号)」を提出する 

     
  • 下請負事業の分離の認可を受けた場合、当該下請負事業(下請工事)は独立した工事とみなされ、当該下請負事業は下請負人が事業主とみなされます。

労働保険 有期事業の一括(一括有期事業)  ろうどうほけん ゆうじぎょうのいっかつ(いっかつゆうきじぎょう)<更新27年7月1日>
  • 有期事業の一括とは…労働保険の申告において、労働保険の申告対象である事業が以下の要件をすべて満たしたとき、これらの事業をまとめて一つとみなし、申告を一括して行うことをいいます。
  • 有期事業の一括のことを、一括有期事業一括有期とも呼びます。
     
  • 有期事業の一括ができる事業の条件(すべて満たす必要あり)は次のとおりです。
    (1) 建設の事業のうち元請工事又は立木の伐採の事業である
    (2) 事業主が同一である
    (3) 事業の期間が予定されている事業(つまり有期事業)である
    (4) 次の要件を満たしている
    ・建設の事業 概算保険料の額が160万円未満かつ請負金額(税抜)が1億8000万円未満
    ​     ただし、27年3月31日までに開始した工事については、
          概算保険料の額が160万円未満かつ請負金額(税込)が1億9000万円未満 
    ・立木の伐採の事業 概算保険料の額が160万円未満、かつ、素材の見込生産量が1000立方メートル未満
    (5) それぞれの事業が他のいずれかの事業と相前後して行われる
    (6) それぞれの事業が、事務所の所在地の都道府県の区域内又はその隣接の都道府県の区域内で行われる(厚生労働大臣が指定する都道府県労働局の管轄区域を含む)
         ただし、建設業のうちの機械装置の組み立て又は据え付けの事業を除く

<参考>
【厚生労働省】有期事業の一括ができる都道府県労働局の管轄区域
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/kankatsu.html

  • 有期事業の一括の取り扱いを受ける事業主が、一括扱いに該当する事業を開始したときには、「(一括有期事業)開始届」を所轄労働基準監督署に提出します。
  • 補足 … 建設業においては、元請負の工事のみが労働保険の申告対象です。
              これを、請負事業の一括といいます。

「一括有期の開始届」を気軽に、簡単に作成する方法はこちら

労働保険 一括有期事業 開始届 ろうどうほけん いっかつゆうきじぎょう かいしとどけ <更新26年8月1日>
  • 一括有期事業開始届とは … 建設業又は立木の伐採の事業で、有期事業の一括の扱いを受ける事業主が、一括扱いに該当する事業を開始したときに提出する届のことをいいます。
  • 一括有期事業開始届のことを、開始届とも呼びます。
  • 開始届では、請負金額が500万円未満の事業又は素材の見込生産量が30立方メートル未満の事業については、事業の種類ごとにとりまとめ、○○工事外○件又は○○現場外○件と報告することができます。
  • 提出時期 … 事業を開始した月の翌月の10日まで
  • 様式 … 一括有期事業開始届(建設の事業) 様式第3号(甲)
               一括有期事業開始届(立木の伐採の事業) 様式第3号(乙)
  • 提出先 … 有期事業の一括の事務所を所轄する労働基準監督署
  • その他 … 電子申請できます

「一括有期の開始届」を気軽に、簡単に作成する方法はこちら

         前のことば辞典 安全衛生   次のことば辞典 労災保険     

お問合せはこちら

お気軽にお問合せください

お問合せは、  にて受け付けております
まずは、お気軽にご連絡ください

076-463-6418

受付時間
 平日  9:00~11:30/13:30~17:00

 事務所不在の際は、留守番電話に切り替わりますので、メッセージを残していただきますようお願いいたします。
後ほどこちらから連絡します。